first love【完】
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その日の夜、咲希からメールが来ていた。
“土曜の試合、いかれなくなりました。ごめんなさい。真凛ちゃんは中野君を応援するそうです。お休みなさい”
メールはまだまだ、固い文が多いが、まぁ、全てが直ぐにくだけるのはなかなか大変だと思うから、特に何も言ってなかった。
それにしても、昼は大丈夫って喜んでたのに、何があったんだ?
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金曜の昼、改めて「明日はごめんなさい。」と言われて咲希は悪くないのに、なんだかイラついてしまって…
「別に…実は普段からあんま
バスケ好きじゃなかったりしてな…」
何て言ってしまったんだ。
そのとたんに咲希はなんとも言えない、悲しい苦しいって感じの顔で俺を見てた。
でも、何にも言ってこなくて、俺も言わなくて、気まずいままに昼休みが終わってしまった。
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その夜、知らない番号から電話がかかった。
出てみると咲希の兄さんだった。
「悪りぃな…前に咲希の電話出たとき、
番号チェック済みで…。
それよりさ、明日の試合、よろしくな。
それと、白枝がくんだろ?
咲希…なんか言ってたか?」