first love【完】
「あ、義希さん…
番号はいいよ、別に…
それより白枝のこと、そんな気にして
なんかあんの?」
「んん~、やっぱお前には話すか…
咲希のこと、本気なら、
何があっても守るよな?」
「そんなん、当たり前だけど…
でも、心配しなくても…
明日は咲希…観に来ないよ…」
「えっ…あいつあんなに楽しみに…
もしかしてっ!?白枝くるって知ってるか?」
「あ?あぁ…言った、けど?」
「なら、あいつがいかないのは
自分や周りを守るためだ…
ほんとは、行きてぇんだよ…」
「はっ?なんでさ…理由言ってくれ」
「あぁ…実は去年から清真は白枝と
結構交流戦あって…夏休みに…
咲希も観に来たことがあってさ。
その時以来、白枝の、今は3年か…
後藤ってやつに気に入られちまって
で、何回かはちあわせとか、あって
春休みにさ、後藤のやつ…」
そこまで話すと義希はいったん言葉を切った。
「竜斗だっけ…お前…切れんなよ?
……後藤は、咲希に迫って…
抱き締めてキス…したんだ…
それも、2回も…
で、それを見つけた俺が殴りかかって…
俺は1週間停学くらったんだ…」
『抱き締めて…キス?2回?停学!?』
言われたことが頭をグルグル…声が出てこなかった。