first love【完】
「来て」咲希side
金曜のお昼は気まずいままになり、帰りは別だからあれから話してない。
白枝高校の後藤さんのこと…話した方がよかったのかな?
お兄ちゃんみたいに、何かあって停学…ううん、それ以上の罰を受けるような事態になったら…私は苦しくて押し潰されてしまうかも。
明日…竜もお兄ちゃんもバスケットを心から楽しんで、誠意ある試合ができますように。
…*…*…*…*…*…*…
土曜の朝、目覚ましがなる前…5時前に目が覚めてしまって、携帯を確認すると竜から午前0時頃にメールが入っていた。
慌てて確認すると…
“咲希、試合来て、待ってる、大丈夫”
と書いてあった。
昨日の雰囲気から、私がバスケの試合を観るのは望んでないようにも思えたけど、それは私が“いかれない”と言ったからかな?
『竜…観に行きたいよ…でも…』
“コンコン”“ガチャ”
「どうぞ」と言う前にドアが開いて兄が入ってきた。
「咲希、早いな」
「早いなって…
分かってて来てるよね?
お兄ちゃんは9時だっけ…
用は何?」
「今日…試合、観にこい
大丈夫だから。」
「だってっ…」
「大丈夫だ、竜斗もそう言ってんだろ?」