first love【完】

『無意識』竜斗side



後藤とのことが、咲希の驚くほどの頑張った告白とみんなの協力のお陰で、おおごとにもならずに片付き、正直ホッとした。


だがやはり、“咲希のファーストキス”は嫉妬が止まない…。


今さらどうにもならないけど…


だから、咲希に“全勝したら”と約束した。


全勝した帰宅途中、お互いに“その時”を意識していたが、タイミングがつかめず、結局玄関先まできてしまった。


震える咲希からドキドキが移ってきて、緊張が高まったが“キスしたい”って衝動…欲はもう抑えきれず…そっと触れるキスを、二人のfirstkissをした。


咲希の温かさに離れがたく、でも、余裕のない俺は結局、短めで終わらせてしまった。


でも、キスしたことでようやく後藤のことは、過去だと思うことができた。


…*…*…*…*…*…*…


部活は休みになり、木曜からは期末テストが始まる、そんな週始めの登校中にあることを聞かれた。


「あのね、竜…少し先なんだけど
今月の27日って、部活とか含めて
どんな予定になるか、いつ頃
わかるかな?」


「ん~部活のスケジュールは
期末テストが終わった頃わかるよ。
でもなんで?」


「ん、えっとね…
私の…た、誕生、日で…
いつも、母と前後で旅行やショッピングで
お祝いしてもらうんだけど、兄が…
母に彼氏が居るのにって話して…」




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