first love【完】


真人によれば、彼氏はいないらしい。


大人しく、才女な雰囲気からか、みな諦め気味で告白してるやつらは今のところいないみたいだ。


そもそもそういった恋愛ごとに星谷さんが、興味をもってなさそうで、みんな遠巻きに様子を伺ってるとか。


…*…*…*…*…*…*…


同じクラスなのを有利にいかせず、あまり親しくならないまま進級によるクラス替え。


2年は隣のクラスになってしまった。


真人は星谷さんと同じになり、羨ましくて仕方がなかった。


…*…*…*…*…*…*…


実は去年の9月から、星谷さんが花壇へ行く前に必ず、体育館の中を見学者の一番後ろからそっと見るようになったのに気づいた。


誰を見てるのかな…?しばらくするとお目当てのやつを見たのか、微笑むとすぅっとその場を離れて花壇へ行ってしまう。


誰を見ているのか、日に日に気になって仕方がなかった。


もやもやし続けてる1月のある日、星谷さんと視線がぶつかり、思わずそのまま見つめてしまった。


彼女はしばらくして、スッと視線を外し、そのまま離れていった。


『もしかしたら俺を見ていてくれてる?』そう思うようになったのは、それからよく目が合い、回数もさらに増えたから。



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