first love【完】
『会って…』竜斗side
学校から咲希の家に向かいながら、真人が言ってくれたことをよく考えた。
俺…ほんとに何したかったんだって…
下田さんが本気で相談に乗ってくれているのか、実際は何度もあれっ?と思うことがあったんだ。
でも、「星谷さんにサプライズで喜んで欲しいんでしょう?」と言われてしまうと、何も言い返せなくて一緒に行動していた。
でも、お弁当を貰うときや、「用事がある」と言った時のあの、泣きそうな悲しい顔…
笑顔が見たくてプレゼント選びや連れていく店を探していたのに、いたはずなのに…
あと、真人には試験の前から俺がよそよそしかったのがバレていて…思いきって話したら「お前は馬鹿か?そんなの、好きな女に欲情とか当たり前過ぎ、少しずつそうゆうスキンシップをお互い求めてくもんだろ?」とかなり呆れられてしまった…。
触れたいとか思うのは当たり前の反応で、でもそれで咲希が嫌な思いをしないように、欲だけでなく、想いがあるってことを伝える…
今さらこんなん、教わるとか、俺はどれだけ恋愛初心者なんだ…
咲希、ほんとにごめん…
今から会いに行くから…
会ってくれる?
…*…*…*…*…*…*…
日曜日以来に来た咲希の家。
インターフォンを押す手が震えてる。
なり終わると同時にドアが開き、義希が俺を睨んでいた。