first love【完】
…*…*…*…*…*…*…
閉じかけたドアをガシッと竜斗がつかみ、俺を押しやるようにして、体を入れてきた。
「直接会えなくても、今はっ
今はそれでもいいからっ
話をさせてくれ…頼む…」
そう言って思いきり頭を下げる竜斗。
玄関先で大声でいたから、リビングから母が出てきて「何かしら?あ、ら?お友達?」と言ってきた。
「違…「そうですっ!!」」
…*…*…*…*…*…*…
ダイニングテーブルに、俺の正面に座る竜斗。
午後7:30、我が家の夕食タイムだ。
咲希は…母親がさっきお粥を持って行ったが、3分の1も減ってなかった…。
俺は最高にイライラしながら、無言で食べ始めた。
「桜井君、あなたもバスケ部?」
「あ、はい、あの、咲希さんと
同じ学校で…」
「へぇ~じゃあ、上手なのねぇ
だって義希がよく誉めてるもの(^_^)」
「こいつは例外っ!
それと、へんな話しすんなよ…」
「あら、そう?そうだわ、
咲希ちゃん、学校ではどんな様子?」
「え、あ…優しくて大人しくて…
男子に人気あって…真面目で、
頭いいから、先生からも信頼されてて…」
「あらぁ~、良いことばかりね♪」
「あ、はぃ、すごい、いい子で…」
竜斗はそこまで言って、箸を置いて俯いてしまった。