first love【完】


「薄っぺらな人が、わざわざ
責められると分かっていて
家にくるかしら。それに、
桜井君はちゃんと過ちに気がついた…
そうなのよね?」


「っ…!はいっ!!俺…
何が、咲希を喜ばせることなのか、
全然分かってなくて…ちゃんと
咲希に向き合ってなくて…
時間は戻んないけど…もし、
そんなことがあるなら、咲希のために
自分自身で考えて選ぶし、
他の女子と居たり、噂にまで
なるような行動…とらない…
時間があるなら、ちゃんと傍に居たい…
です…」


「それは、今からでも出来ることね。
相手のことを本当に思いやるって
案外難しいけれど、
自分がされて嫌なことはしないで、
嬉しいことをしてあげる…
単純ではあるわねぇ…」


「咲希には…笑顔でいてほしい…です…」


「そうね、それは私も、
義希もそうだわ。
今日はね、咲希ちゃん、体力がもたなくて
お薬で寝てしまったの。
明日の朝、ここまで迎えに来てくださる?」


「はいっ!!」


「今夜のあなたのことは
伝えます。でも、誤解は自分で
ちゃんと顔を見て、解きなさいね。」


そう、言ってくれたお母さんにはいくらしても足りないくらい感謝した。


義希は何も言わずに2階へといつの間にか消えてて、俺はお母さんに挨拶して家に帰った。



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