大奥物語−総取締役お永の局−



−御食事広間−


「お津江、
顔色が優れぬが大事ないか?」


食事中、
上様はお津江の顔を見て、
そう言った。


「は、はぃ………
最近食欲がわかないゆえ、
申し訳ありません………」


お津江は箸を持っている
手を止めてそう言った。


「何を申すか、
辛ければ辛いと言わぬか!
体でも壊したらどうするのだ?」


「………申し訳ありません。」









と、その時だった………。


< 5 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop