大奥物語−総取締役お永の局−
「………これで、
お津江の方様も追放」
そう言ったのは、
お末の方様だった。
「それは、
どうでしょう?」
月島は、
お末の言葉を否定するように
そう言った。
「え?」
すると月島は、
扇子で口を覆い
「お津江の方様は、
お腹には
お子がいます…
上様が目を覚ませば、
きっと御許しになるかと……」
「そ、それでは、
意味がないではありませんか!」
お末が声を荒げると、
「何もしない訳では、
ありませぬ……
次の手は考えておりますゆえ
御安心を…。」