幸せの選択
わずか1年足らずで予備試験に合格した弘之は、翌年の司法試験も余裕だと思われていた。

だけど、神様は順調そのものの彼の人生に初めて試練を与えた。


初めての挫折の翌年もまた、不合格。

挫折を知らずに大人になった彼にとっては、簡単には乗り越えられない壁となってしまった。


そんな彼を近くで見ていた私は、彼の力になりたいと、翌年の司法試験までの生活の面倒をみることを申し出た。

親からの仕送りがあるとはいえ、一人暮らしを維持するためのバイトの時間を、勉強にあててもらいたかったからだ。


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