幸せの選択
最初は拒んでいた弘之も、徐々に背に腹は変えられず、私の家に引っ越してきた。

当初の約束は、仕送り分は家賃の足しに払うと言っていたけど、いつしか、それも途絶えた。


そして、弘之越してきて2年が過ぎた。


3度目の試験は、精神的に受けることができなかった。

今にして思えば、ただ弱虫の世間知らずな彼が、邪魔なプライドに邪魔されて、四方塞がりになっただけだ。


その頃の私は、それが見抜けなかった。

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