幸せの選択
窓に映るお互いの顔を見ながらの会話は、お酒が抜けてきた冷静な私の頭には、ちょうど良い距離感を保っていた。


なのにーー

突然、座っていたスツールがクルリと回され、気が付けば正面に向き合っている。


隣り合わせで座っていたため、向かい合うと至近距離に彼の顔がある。


その顔が、その日見たどの顔よりも真剣で、まっすぐに見つめられた視線は、私から逸らされることはなく、思わず笑って誤魔化し横に反らした私の顔を再び自分へと向けてこう言ったんだ。
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