幸せの選択
「それは――」



課長の言葉を遮るように続ける


「私を認めてくださったのは感謝します。でも、契約を延長するお話は辞退させていただきたいです」




きっぱり言い放つ私に納得していない様子の課長から顔を背ける。


大袈裟にデスクの引き出しを開け、中からホッチキスの芯を数個出す。





「もう、次が決まっているのか?」



さっきよりさらに近くから聞こえてくる声




「いいえ、これから探します」




「だったら――」

「いえ、それでも辞退します」
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