幸せの選択
「えっ?」

慌てて体を起こすと、動かした関節すべてがギリギリと音をたてるように痛い


「痛っ!」


「こらっ!要、目が覚めて早々に彼女に無理させるな!」




扉の向こうから、クルクルとマグカップに入ったスプーンを回しながらこっちに歩いてくる女性


「あのぉ…」


戸惑う私をすっかり無視して、その女性はベッド横に座り込む課長の頭をぺシンと軽く叩いた



「ごめんなさい。何が何だか分からないわよね」

ベッドに浅く腰かけて、私の頭を撫で始めた。


「あっ…!」



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