幸せの選択

口調とは反対にニッコリ笑いながら、お鍋に手際よく野菜を刻んで入れている。


「千秋ちゃん、何があったかは聞かないから、元気になるまでここでゆっくり休んでね」


振り返り、にっこり笑う玲衣さんはまるで母のような愛あふれる顔をしている
田舎の母とは似ても似つかないのに、急に実家にいるような安心感が全身を駆け巡り、ジンワリと目が熱くなる



「……はい。ありがとうございます」


「よし。じゃあ、シャワーでもしてくる？その間にご飯用意しちゃうから」


「はい」



玲衣さんに案内されて、洗面所に入る。
未だ動かすと違和感がある体


そっと来ていたパジャマを脱ぎ、全身に張られた湿布薬を剥がす



「………っ！」