幸せの選択





「そっか……」

ポツリポツリと、断片だけを時間軸グチャグチャで話す私の言葉を、先を急かさずに時には整理しながら聞いてくれた玲衣さんが、粗方聞き終えたところで、漏らした一言



話している間中ずっと、優しく背中を擦ってくれた手を、ポンポンと頭に乗せて撫でてくれた


言葉が無くても、手から伝わる玲衣さんの温かさが私の心の底まで温めてくれる。



震えはいつの間にか止まっていた。



「男と女の話だから、どちらか一方が責められる事ではないと思うけど、暴力は別。

彼には、償いが必要ね。千秋ちゃんを失うという一番堪える罰よ」


「私を失う…罰?」

「そうよ。彼はあなたに依存し過ぎだわ。金銭的にも精神的にも……」
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