幸せの選択
傾げた顔は、妖艶という言葉がぴったり当てはまる。


思わずゴクリと息を飲む。



「呼んで?」


「あの………」


「うん」



顔から湯気が出ているかもしれない。
耳たぶが、カァーっと熱くて取れてしまうかもしれないと、本気で思う。


そんな、私とは対極に課長の顔は笑っている。
少し意地悪く見えるのは、気のせいだと思いたい。




「三島?呼んで?」


きっと、呼ばないと終わらせてくれないのだろう。




えい!どうにでもしてくれ!



「坂巻さん!」
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