幸せの選択
頭を撫でられながら、フワッと笑った顔の晃樹にドキリと胸がはねた。





「あ、ありがとう。でも、これちょっと甘すぎる」



「どれどれ」と私の腕を自分の口元へ運んでコーヒーを啜る






「ホントだ。まぁ、俺の愛情入りだと思って飲んでよ」



そう言って会議室を出て行った。
バタンと閉まるドアを見つめながら、なんだか短時間に色々ありすぎて頭がうまく動かない。



ヘナヘナとその場にしゃがみ込み、これからの会議と、その後の晃樹との約束とどう向き合おうかと考える。



けど――




いくら考えても名案なんて浮かんでこない。



「どうすんのよぉ」


一人呟いた声が会議室に虚しく響いた。

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