幸せの選択
差し出されたコーヒーに口をつけると、やっぱり甘い。
だけど、ぐちゃぐちゃになった頭を解してくれる作用は満点だった。




「晃樹、コレ甘い」


「あれ?さっきより少なくしたんだけどなぁ」


「でも、なんかホッとした。ありがとう」



ユラユラ揺れる水面にライトがキラキラ反射してきれい。
今度は、一気に口いっぱいに含む




「千秋の癒しになれて嬉しいよ」





「ブハァっ」






思わずコーヒーを吹き出した。


ゲホゲホと咳込む私に、タオルを渡す晃樹は何事もなかったように澄ました顔をしている。



「ちょっと!突然やめてよ」



「えっ?俺、なんかした?」


< 372 / 760 >

この作品をシェア

pagetop