幸せの選択
「だからって……」


「俺が待ちたかったんだからいいの。それより。スゲー腹減った。今から開いてるとこってファミレスくらいかなぁ?いい?」



首をかしげながらニッコリ笑う整った顔に、もうこれ以上何も言えない。






「うん」


「じゃあ、行こう。今日は車なんだ。帰り送るよ」




「ささ、行こう」と背中を押されながらエレベーターに乗り込む。
隣にポキポキと音を立てながら首を回している晃樹の横顔を見上げる。



長身で、整った顔。
オカモトの会長の孫で、なのに人当たりがいい



よくよく考えたら、非の打ちどころのない晃樹が、なぜ私を好きだと言ってくれるのだろう




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