幸せの選択
エントランスで晃樹を見送った後、仕事帰りの玲衣さんに出くわした。

玲衣さんは晃樹と私の始終を見ていたらしく、私はそのまま玲衣さんの部屋へと連れて行かれたのだ。




そして、追求されるのを逃れるため「お風呂に入りたいから帰りたい」と言った私の言葉をすんなり受け入れてくれた。


が、



それは自分の部屋のお風呂に入れということだった。





「あんなかわいい子どこで見つけたの?」



「見つけたというか……偶然の重なりで……」




自分の中での晃樹の位置がまだ定まらないうちに、玲衣さんに話すことって難しい。
ゴニョゴニョと口ごもる私にしびれを切らしたのか





「ちょっと!何?その歯切れの悪さ。なんか訳ありなの?」
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