幸せの選択
「あの……そんなに楽しい話じゃないと思いますよ?」


「いいの。千秋ちゃんの幸せ話が聞けるなんて嬉しいじゃない?」



「幸せ話って……」







ルンルンと鼻歌が出てきそうなほどの上機嫌で、私の言葉を待っている玲衣さんに、晃樹とのことを話し始めた。










白々と夜が明け始めたころ、私はやっと自分の話を終えた。



「なるほどね。羨ましぃ。千秋ちゃんじゃなかったらぶっ飛ばしてるとこ!」




「えっ……」


拳を作って、殴りかかる真似をする玲衣さん




「だけど、贅沢よねぇ。私ならすんなり玉の輿に乗っちゃうけど?」



「玉の輿って!だってまだ結婚なんて話にはなってないです」



「フフフ……馬鹿ね。千秋ちゃんにはその気は無くても、彼の方はしっかり着実に周りを固めてるわよ?若いのに、なかなか策士だわね」



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