幸せの選択
プップー


後方の車のクラクションが鳴る。
青信号になったことに気付くとすぐに前を向き発進させる。




「お前……そんなこと思ってたの?」


「はい。だから、このプロジェクトを成功させたいです」





横顔からは表情が見えない。
無言の要さんが、どんな気持ちで私の言葉を聞いてくれたのだろう




窓の外の景色は、いつの間にかオカモト社屋の近くだった。
左車線に入り、社屋前に車は停車した。



ここは裏口だから人通りは少ない。



普段社員も表から出入りするから、荷物の搬入の時や残業で表玄関が閉まったときなんかにしか使わない。




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