幸せの選択
「もう行け」


プイッとそっぽを向いた要さん。
言われるまま車から降りる。


ウィンドウが静かに下りて、要さんがこっちに身を乗り出す。




「そういえば、河野の送別会を来週やるらしい。お前の都合を聞いておけって水沼から頼まれてた。あとで連絡してくれ」



「あ……はい。分かりました」





未だ釈然としない私を余所に「じゃあな」と言い残して要さんは去っていった。






走り去る車を見送る。



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