幸せの選択
「そ、そお?私たまにココから入るよ?」


「ふーん。知らなかった」




疑っているような、納得しているようなどっちとも分からない晃樹の顔に、焦る私。



一秒でも早くこの場から立ち去りたい。





「さて、戻るね」


何食わぬ顔で立ち去ろうと思った私の腕を晃樹はがっしりと掴んだ。









「ね、仕事中にデートでいいんだっけ?」




耳に触れるくらい近づく口から発せられた一言で、ヘナヘナとその場に崩れ落ちる。


「おっと危ない」と私の腕を取り、腰に手を回して体を支える晃樹




「何のこと?」ってしらばっくれればいいのに、その言葉が口から出ない。



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