幸せの選択
ガタンと開いたドアに手をついて切れた息を整える晃樹




「驚いた?」



「えっ?あ、うん。どうして?」



「走って来たの。千秋を怒らせたまま行かせたくなかったから」




「………っ!」





確かに少し面白くなかった。
だけど、エレベーターに一人で乗ったのは、仕返し込めてのイタズラだった。





「試すようなことしてごめん」



深々と頭を下げる晃樹の肩は未だ息切れのために上下に揺れている




「………私こそごめんなさい。ちょっとしたイタズラだったはずなんだけど、誤解させちゃったね」



ペコんと頭を下げる



「良かったぁ」と言いながらその場に屈みこむ晃樹


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