幸せの選択
「パパは?相変わらず?」


「そうですね。いつも姫姫です」


「じゃあ、今日は千秋ちゃんを姫にしてもらわなくちゃね」



「…………」





アハハハと笑う奥さんに驚いた蘭が私の顔を見る。







「ママどうしたの?顔真っ赤」



「ママは具合が悪いわけじゃないのよ、さぁ、蘭ちゃんのおみやげできたよ。渉君と仲良くね」


「うん!」



大喜びでケーキの箱を受け取る蘭。
でも、それは空の箱。
本物の箱を奥さんから受け取る時に、そっと「楽しんできてね」と言われた。


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