幸せの選択
事務所に戻ると、蘭はまっすぐ渉君のところへ駆けだした。


「こらこら、パパの前に渉のところに直行するなんて、蘭はパパの特別じゃなくなっちゃったのかな?」




奥からコーヒーを片手に出てくる






「要さん!戻ってたの?」


「ああ、頑張ったら予定より早く終わっちゃって。俺もまだまだ成長途中だな」




5年前と変わらず輝く笑顔を私に向けてくれる要さん。






「社長は、千秋さんのためならどんなミラクルだって起こすんですって」



「えっ?」




「こら」とペチンと額を叩かれ、舌を出す渉君


「パパ!渉をいじめちゃダメ」



渉君の前に立ち、パパに応戦する蘭




「おいおい……」
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