サクラサク(地味っ子②)

「10年前、家族の中で一人浮いた存在

それが、桜だった

中学1年の時、ストーカーやら記者に追いかけられて

一度壊れた桜

本人も主張している通り、中高は、地味を目指して生活していた

3つ違いの俺や華は、学校生活が一緒になることがなく

その頃、家以外での桜を知らなかったし、特に気にしていなかった

その点、こーちゃんやゆーくんは桜のことを結構気遣っていたなぁ」

「えっ・・・今はあんなに家族の中心なのに?」

「クスッ。そうだなぁ

その頃、家にほとんど誰も帰ってなかったから・・・・

俺も1ヶ月に5日ぐらい・・・基本、桜とあと一人か二人だ」

「あんなでかい家で・・・・ひとりかー」

「さみしいよなぁーあの頃は、気づかなかったんだ

10年前、また桜に世間の注目があたった

その時、桜を守ったのは家族ではなく・・・幼馴染だった

藤宮と柳田がバックについて・・・・でも、俺はそれすら

知らなかった

ある日、10日ぶりに帰った我が家で見たのは

オヤジに殴りかかるこーちゃんと怯える母親

桜を芸能界に入れたかった両親が、勝手にモデルの契約を

結んでしまって・・・

こーちゃんは事前に、とめたらしいけど・・両親は聞き入れなかった」
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