サクラサク(地味っ子②)

「蓮?」

目を開けると、優しい眼差しで見つめている蓮がいた

「さく・・今日泊まるから・・よろしく」

嬉しいけど・・・恥ずかしいなぁ

「蓮。仕事どう?」

私の髪を撫でながら

「あー頑張ってる・・・さくのこと気になるけど・・・

俺も正念場だからなぁ・・・さく、寝れないんだって・・」

優しく聞いてくる蓮

「お薬で・・・寝てる・・・」

ゆっくり椅子に座る蓮

「さくの不安・・・話してみて・・・」

蓮になら・・・話せる気がする

「・・・事故の・・記憶が蘇るの・・」

ゆっくり話す、私の言葉を蓮は何も言わず・・・聞いている

墜落後の記憶

地獄絵図


「いきていることが・・・しんじられない・・・」

発した言葉に、蓮が手を強く握った

ゆっくり、首を動かし、連を見ると・・・涙

「さくは、ちゃんと生きてる・・・事故で亡くなった人の分も

生きるんだ・・・それが、お前の使命だ!!」

いきてる・・生きるんだ・・・それが、私の使命

欲しかった言葉を・・・蓮がくれた
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