サクラサク(地味っ子②)
春
入院して2ヶ月半
あかりは迎えに来た海斗と、海を連れて帰って行った
季節は春になっていた
もうすぐ、桜も咲くとテレビで伝えていた
「ねぇーけいちゃん」
私の呼びかけに読んでいた本から、目をあげ
「どーしたーさくちゃん」
カメラに目をやりながら
「・・NY来ないかって」
「あーあかりちゃんかー」
「あと半月もすれば、松葉杖で生活できるでしょ
そしたら、義足のことも考えないといけないし
まだ、世間は落ち着いてないし・・・」
「そうだなー俺も桜が見世物になるのは・・・嫌だ」
「NYなら、あかりのところでお世話になりながら
義足の練習したり、生活の練習ができると思うの!
そしたら、けいちゃんもロスに帰れるでしょ」
「俺はいいんだ!!ってか、あと3ヶ月半は仕事ないから
NYついていくぞ!なんならロスはどうだ!
そしたら、気兼ねもないだろう・・・」
「そうねーロスなら運転の練習もできるかしら」
「あーオートマなら、大丈夫だろう!
・・・蓮には・・・」
「・・・まだ・・・」
「そうかー解ってくれると思うぞ」
「そうね!ありがとう!勇気が出てきた
もう少し写真撮るね」
「・・・はい、はい・・・クスッ」