サクラサク(地味っ子②)
「・・・あ・・・あのー、中野薫さんですか?」
思わず声をかけて
振り返る、女性
不思議そうなご主人
「不躾に申し訳ありません」
私の、意味不明な言葉尻をとり、サングラスを取りながら
けいちゃんが話だし
けいちゃんをみて、驚いた様子のご夫婦は
あたらめて、私を見て、
女性が涙しながら、手を握ってきた
「・・・あなたが、一条桜さんですか?」
私も思わず握り返しながら
「・・・はい・・・グズ」
このあと慰霊祭に出るというご夫婦に
夕食をと、連絡先を渡し
もう一度事故現場に、祈りを捧げた
奇跡の出会いに
感謝しながら