サクラサク(地味っ子②)
圭介
10年前と、何も変わらない、病院の空を眺めて圭介は、深い溜息を
ついていた
結局、俺は何も言えなかった・・・さくらに・・・
あの日、悠さんからの電話をもらい
空港から病院に駆けつけた
ハングル語は二人共話せないので、英語でなんとか
日本人女性の確認がしたいことを伝えた
衣類とそのポケットの蓮の写真で 桜を確認し
手術室の前で祈った
この間に、綾瀬の韓国支社から、社員が来て
ハングル語で、術後の病室のことなど、細かいことを詰めてくれた
術後、DRから聞かされた病状・・・・
肋骨が折れ、肺を傷つけていた、そして、事故の時シートに挟まれていた
左足は壊疽が進み、膝から下を切断したということだ
切断?
とにかく、日本の病院でもう一度見てもらおう
海斗と病室に行った俺は、いくつもの点滴、酸素マスクを
している桜を見て
そのまま、目線を下へ・・・・左足・・・布団の膨らみは・・・ない
俺は、病室を出て泣いた