大切なもの
”ゆきちゃんへ!


うちね~、あれからちょっと考えたんやけど


今うちの好きな人、慎二か類やに……


でな、ゆきちゃん類に聞いてくれん?


「うちのことまだ好き?」っち…


でな、まだうちのこと好きやったら類のほうにいくけど


うちのこともう嫌いやったら慎二の方に行く!


じゃあね!     結衣より”





…私はショックを受けた。


慎二は結衣ちゃんのことを可愛いといっていた。


だからこのことが慎二に伝わったら……


ってかそれ以前にまだ類君が結衣ちゃんを好きか嫌いかだ。


類君がもう結衣ちゃんを嫌いになっていて「もうアイツはいいよ」って言ったんだったら、結衣ちゃんは慎二の元に行ってしまう。



でもまだ好きだったら…結衣ちゃんが慎二に手を出すことはない。










これは…私の恋のためにも私が直接類君に聞かなきゃ。


慎二に理由は話せないから。




そう思った。



(でも類君とは話したこともないし!!超超気まずいっっ!!!)





気まずさを取るか恋をとるか…



(う~~~ん。どうしよう…でもやっぱりなあ)



 


うん。ここは恋じゃないと。


確かに類君に話しかけるのはすっごく勇気がいる。


でもそれ以上に慎二が結衣ちゃんに取られるのが嫌だったから。


(あんな顔だけの女に負けてたまるかよ…)


とその時。
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