大切なもの
「小川♪顔暗いぞ!どしたん?」
「…慎二」
私が悩んでるときにこんなに笑顔できてくれる。
…やっぱり超大好きすぎるよ。
「なにかあったら言えよ!相談には乗るから」
「あ…うん。なんでもないよ」
…慎二に言えるわけがない。
「そうか~?でもお前表情がいつもと違うよ」
「…そうかな~?慎二の気のせいじゃないっ??」
「お前がこんな顔するなんて、おかしいもん!なあ何かあったらいえよ!!」
「えへへ、あ、あのさ」
「なに?」
私は駄目元で、返ってくる答えが分かってるのに聞いてみた。
「あのさ、私と結衣ちゃんって、どっちが可愛い???」
「…」
その後慎二は少し黙り込んで、
「さあ、今日松田の顔見てないから比べるのに想像つかないけど、どっちも同じ位なんじゃない??」
「嘘!?!?」
私は結衣ちゃんのほうが可愛いって言われるのを分かっていて聞いたから予想外の結果だった。
…ってことはもしかして、慎二は私のこと中身までちゃんと見てくれてるのかなあ??
「慎二っ…」
自然と口から言葉が出る。
「だから何?やっぱ小川今日おかしいよ」
「あっ、あのさあ…」
私は慎二に結衣ちゃんからの手紙の内容を少しだけ話そうとした。…もちろん慎二のことは言わずに。
「うん」
「あのね、結衣ちゃんが類君のこと好きかもしれないんだ…?類君にね、「「まだ結衣ちゃんのこと好き?」」って聞いてくれないかなあ?」
「わかった!お前、こんなことで悩んでたん??」
こういう風に言えばよかったんだ、とちょっと拍子抜けの後悔をした後に私は、
「あ、う、うん!そうそう!類君と話したことないから直接話すの気まずいしって思ってて…」
と言った。
「もっと早く言えやしなあ♪じゃあまた後でな!」
…慎二は優しいよ。
私にはもったいないくらい優しいよ。
ごめん…超大好きだよ
関係崩したくないから告白したくないけど、
でも誰にも取られたくないような人。
…本当に大好き。
それから放課後。