大切なもの
次の日。


「ゆーいーちゃんっ」


「ゆきちゃん!!」


私は笑顔で3組に入り、結衣ちゃんに話しかける。



「結衣ちゃん、類君がね、まだ結衣ちゃんのこと好きだって♪」


「そうなんだあ。。。」


「頑張ってね!協力するから。」


「うん…じゃあ授業始まるから」


「?うん。」



…妙に結衣ちゃんの表情がおかしかったような気が?


気のせいかな?ううん、気のせいなんかじゃない。



後でまた結衣ちゃんに聞いてみよう。










…季節はもう夏休み直前。


授業中に私は


(はああ…もうすぐ夏休みだなあ。長い間、慎二と会えなくなっちゃうな。)



とボーッと考えていた。


そしたら、急にえっちゃんが、


「ゆーきっ♪暑いからってボーっとしちゃだめだよ」


「はあい~」











突然だけど、美奈、えっちゃん、いっちゃんとは少し前に自然に仲直りをした。


あっちから話しかけてきて、ゆき、今までごめんね…みたいな。今では亜希子も渚も含めてみんなで仲良しだ。


私の心の傷はまだ癒えることはないけど、私のわがままでみんなと仲良くしないんだったら、今まで助けてもらった亜希子にも渚にも迷惑をかける。と思ったから、私も普通に仲を保っている。



…それで、なんかバレバレのようでみんな私が慎二のことを好きなことを知っている。






「で、ゆきぃ~?最近恋はどうですかあ??」


えっちゃんは恋バナ上戸だ。


「えっ!?私は…まあ色々ある…ような、ないような…」


「そっかあ。また休み時間に色々教えてね!」


「うん!」












そして休み時間。





「ゆき~!」


「えっちゃん。あのね…」


「うんうん」


「う~んと、3組の結衣ちゃんがね…」


ここまで話しかけたその時、
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