大切なもの

「うち、最近結衣ちゃんからよく話しかけられるんだけど…なんか結衣ちゃんが最近慎二と仲がいいんだよね」


「あーなんか慎二のこと好きっぽいよね。結衣ちゃん」






…好きな人のことをこういう風に言うのは本当に辛かった。


でも話を最後まで聞くためには仕方がない。


てか、結衣ちゃん慎二のこと好きだから、楓ちゃんとかも含めて
4組の女子固めて味方にしていく作戦ばればれなんだよ!っと心の中で思った。



「…でさっき結衣ちゃんに話を聞いたら「「慎二もウチのこと好きっぽいんだよねー♪」」って。…ゆきちゃん知ってた?」


「え?」


私は訳がわからなかった。


最近結衣ちゃんと慎二が仲がいいのは気になっていた。


でも私もそれなりに慎二と話してるし、結衣ちゃんと話すなっていう権利とか全くないし、仕方がないかなって思っていた。


「…両思いなのかも。まだハッキリしてないけど」


「…嘘やろ??慎二が結衣ちゃんっ…。」


「いや!!多分結衣ちゃんの言うことは嘘やと思うけん、まだ慎二に確認するまで信じないほうがいいと思う!!!」


「慎二に確認する…ってことは?」















「ゆきちゃん…告白する?」


「……」



私は、どうしようと悩んだ。


結衣ちゃんに慎二が取られるっていう不安と、もし、それで悪い結果が出た後の慎二との接し方。


…多分私は悪い結果の後もずっと慎二を好きでいると思う。


それでもし、しつこいって思われて…砂土原みたいに言われたら。



でも、告らなきゃ結衣ちゃんの元に…


そんなの、絶対。絶対嫌だ…。
















「…どうする?」



私が出した結果はこうだ。
< 40 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop