大切なもの
「うち、最近結衣ちゃんからよく話しかけられるんだけど…なんか結衣ちゃんが最近慎二と仲がいいんだよね」
「あーなんか慎二のこと好きっぽいよね。結衣ちゃん」
…好きな人のことをこういう風に言うのは本当に辛かった。
でも話を最後まで聞くためには仕方がない。
てか、結衣ちゃん慎二のこと好きだから、楓ちゃんとかも含めて
4組の女子固めて味方にしていく作戦ばればれなんだよ!っと心の中で思った。
「…でさっき結衣ちゃんに話を聞いたら「「慎二もウチのこと好きっぽいんだよねー♪」」って。…ゆきちゃん知ってた?」
「え?」
私は訳がわからなかった。
最近結衣ちゃんと慎二が仲がいいのは気になっていた。
でも私もそれなりに慎二と話してるし、結衣ちゃんと話すなっていう権利とか全くないし、仕方がないかなって思っていた。
「…両思いなのかも。まだハッキリしてないけど」
「…嘘やろ??慎二が結衣ちゃんっ…。」
「いや!!多分結衣ちゃんの言うことは嘘やと思うけん、まだ慎二に確認するまで信じないほうがいいと思う!!!」
「慎二に確認する…ってことは?」
「ゆきちゃん…告白する?」
「……」
私は、どうしようと悩んだ。
結衣ちゃんに慎二が取られるっていう不安と、もし、それで悪い結果が出た後の慎二との接し方。
…多分私は悪い結果の後もずっと慎二を好きでいると思う。
それでもし、しつこいって思われて…砂土原みたいに言われたら。
でも、告らなきゃ結衣ちゃんの元に…
そんなの、絶対。絶対嫌だ…。
「…どうする?」
私が出した結果はこうだ。