大切なもの


「…1学期の終業式が明日だから…気持ちだけ伝えてみるよ」


…自分の胸の中では、「何よりも慎二と結衣ちゃんとの付き合っているのが見たくない」という気持ちが大きかった。


「わかった!!!わたしは結衣ちゃんよりゆきちゃんに成功してほしいから、協力するね!!!」


私と結衣ちゃんと楓ちゃんは同じ小学校出身だから、楓ちゃんも、結衣ちゃんの性格を踏まえて、そう言ってくれたんだと思う。



…楓ちゃん、教えてくれてありがとう。


そのときは胸がいっぱいで声が出なかったけど、本当にありがとう。



「…んじゃあ今晩はいろいろ言葉考えるね。」


「うん!!!私も協力したいから、悩んだこととかあったら電話してね。」


「ありがとう。じゃあ教室戻ろう。」



…そう言ってさっきと変わりない教室に入った。












その日の夜。



「うーん…実際目の当たりにするとすごく恥ずかしいよね」



私は冷静になって色々考えてみた。



(だって…告るってゆってもどういう風に?


もしひどい振られかたしたら…どうしよう)



とその時、



プルルルル…




「あ、電話や」


私が受話器を取ると、
< 41 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop