大切なもの
次の日の朝。


「ねえっっ、慎二!!!」


「何?小川」


…やっぱり今までのようには話せないなあ。恥ずかしい。と実感する私。すごく緊張してしまう。



「あっ…あのね。放課後靴箱で待っててくれる??ちょっとだけ話があるんだ!明日から夏休みだしねっ!」


「うん。わかったいいよ」


「ゆき~~!!!!」


「小川、森崎(もりさき)が呼びよんぞ」


森崎とは美奈のこと。


「は~い!んじゃあ慎二ごめんっっ」




そう言って私は美奈の元へ。


「ゆき!!あのさ、楓ちゃんからちょっと聞いたんだけど、慎二君に告るの??」


「あ…うん。」


「応援するからね☆頑張ってね。」


「ありがとう。美奈。」


「緊張とかするやろ??」


「うん…すっごく緊張する」


「でもゆきやったら頑張れるけん!!」


「うん、ありがとう♪どうせ明日から夏休みだし、当たって砕けろ!みたいな?(笑)でも慎二を好きな気持ちは大切にしたいんだけどねー…」


「楓ちゃんやえっちゃんからきいたけど、やっぱり、松田結衣ちゃんが慎二君のこと好きになんなかったらこんなことにならなかったんでしょ?」


「うん…まあ慎二は優しいから…」


「そっかあ。ゆき、頑張ってね!!!!」


こんなにも応援してくれる人がいるんだ。


絶対に、絶対にがんばろう。


そう思った。


「ありがとう。あ、もうすぐ授業始まるし席つこうっ?」


「うん、じゃあまた放課後ねっっ☆」


「ありがとうっ…!」


「うん♪」


そう言って、私は席についた。












……そして放課後。
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