大切なもの
「だってっ……結衣ちゃんと慎二っっ……仲良くしてるの見るの辛いもんっっっ…ヒクッ」



ポタッ……



「小川!?お前…」



私は泣いていた。


色々な気持ちが混ざりすぎて、とうとう自分の言ってる意味がわかんなくて泣いてしまった。

















慎二も…いい迷惑だよね。急に呼び出されて泣かれちゃってね。



「慎二…ホントゴメンねっ。なんかねっ。付き合ってもらわないと見てるこっちが辛いんだっ。だから…私のこと嫌いだったら結衣ちゃんと付き合ってっ」



…もう涙が止まらないよ。




慎二…早く何か言ってよ。



「それっち小川…お前オレのこと好きなん?」



(えっ!??)







私はそれを聞いてちょっと我に戻った。



(どうしよう…こういう時って「うん」って言うべきなの?)


「えっ…わっ、わかんないけど…でも、慎二と結衣ちゃんの仲良いの見てるの辛いからっ…私のこと嫌いだったら付き合って…結衣ちゃんとっ」



慎二、本当に困るだろうなあ…。



告白でもなく、よくわからなくて、私も泣いてるし。


…ごめんね慎二。これが今の私の精一杯の告白です。










「俺、松田のこと好きやねえよ」


「えっ!?」


「俺…付き合うのってよくわかんないから、松田と付き合う気なんかねえよ。なんたって、オレと松田が付き合ったら類に色々言われるやろうし」


「そうなんだ…」


「で、俺小川も友達だと思ってる。全然嫌いなんかじゃないよ」


「…え?」


「俺、お前のこと友達として大好きだから、これからももっとよろしくな!!!!」













私はそれだけで嬉しかった。


…私への気持ちも、結衣ちゃんに対しての気持ちも聞けたことが嬉しかった。


その上これからも、大好きな友達…これが一番嬉しかった。


慎二…私やっぱり、あなたを好きでよかった。



好きになってよかった。






「ねえっ、慎二?」


「何?」


「夏休みとか…部活終わったら遊んでくれる??」


「うん!いいよ。もちろんやん。


あ、じゃあ、オレ類待ってるから帰るなあー…」



そう言って慎二は走っていった。


…その時、















「慎二ーーーー!!!ありがとう!」



私は裂けんばかりの大声で慎二に言った。


そしたら慎二は全力でばいばい、と言わんばかりに手を振ってくれた。











…慎二。本当にわがままな私の気持ちを聞いてくれてありがとう。


すごく嬉しいよ。今日でもっともーっと好きになっちゃった。









明日から私のラブラブビームを送るから、受け止めてねっ!!(笑)



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