大切なもの
約3時間後。
「これで部活を終わります。ありがとうございました~!」
「「「ありがとうございました~」」」
「…あ~~今日も暑かったしっっ!!!」
「これから毎日地獄だねえ~」
「クーラーのある場所行きたい!!!」
そうゆうみんなの会話を聞きながら、私は淡々と帰る準備をした。
私も正直暑さにかなり参ってて、一刻でも早く帰りたかった。
そう思って私は、葵を引きつれ(笑)一緒に階段を駆け下りる。
「今日も顧問のキモさ炸裂っ!!」
「あのフランケン顔はヤバスでしょ~」
そういいながらスリッパから靴に履き替えた。
外では、午前中に部活を終えた、水泳部やテニス部がいっぱい居た。
「う~~…外は暑いしっ」
「まあいいや、葵っ、帰ろう♪」
と帰ろうとしたその時。
「~~~っ川~~っ!!!小川っっ!!!!!」
「ゆ~きっ♪誰かさんが後ろからお呼びですよ!」
「へっ!?誰?」
と後ろを振り向くと。
サッカー部の1年生たちがこっちへ向かって歩いてくる。
その中でも慎二が私を大声で呼んでいる。
え、夏休み初日からうれしすぎる////そんなことを思っていた。
「慎二っ!!!!」
「小川!」
慎二は完璧に私の目の前へ来た。
「どしたん?慎二。」
「あっ、ちょっとお前に話したいことがあって」
「そうなん。あ…ねえ誰?」
私は、慎二の隣にいた、見たことがない男の子を指差す。
コイツは弘太郎(こうたろう)っ!!コイツのことで話したいことがあって…」
「弘太郎君かあ。よろしく」
「小川だったっけ?慎二からききました。よろしく!」
「あ、小川…ココじゃ無理やけん、ちょっとこっちきてくれん?」
「葵~?私ちょっと慎二と話すから…」
「あ、じゃあウチは帰るよ!明日の朝色々報告してね☆(笑)」
「本当ごめん!!ありがとう~!!!じゃあまた明日ね♪」
「バイバ~イ♪」
「…で、慎二いいよ。どこ行く?」
「あ、あの畑の向こう側っ」
慎二の指差した先は、東中の畑の奥にある細い道。
「わかった。じゃあ行こうっ」
歩きながら慎二は、
「あのな、小川…弘太郎は1組なんやけどな」
「お~、1組だったら千穂と一緒のクラスじゃん!!」
「そう、その福島(ふくしま)が好きなんだよ。小川と福島って仲いいじゃん?弘太郎の協力しちゃらん?俺らで…」
福島とは話の内容の通り、千穂のこと。
「えっ!?じゃあ、私と慎二が、千穂と弘太郎君の間を取り持って、協力するっていうこと?」
「そう。小川いいか?」
「うん☆全然いいよ!」
ってかむしろ、大歓迎だった。
千穂と弘太郎君を応援することによって、私と慎二の仲も進展してくれたら…そう思ったから。
「あの、小川。オレのこと呼び捨てで…」
「わかった!弘太郎っ!!千穂に対して質問受け付けますよ~☆(笑)」
「福島は、好きな人とかおるん?」
「ううん。千穂はいないよ!だから今がアピールチャンスだって!!!本当に応援するから頑張ってね。ねー慎二?」
「うん!弘太郎、小川も応援するっちゆうけん頑張れよ!」
「わかった。慎二、小川、時間とらせてごめんな。ありがとう」
「いえいえ☆何かあったらうちら頼っていいけん!」
うちらとはもちろん慎二と私のこと。
「んじゃあ、小川、何かあったらまた明日も部活終わるの同じ時間やし、話そうな!」
「うん。」
「弘太郎帰ろう!」
「あ、じゃあ小川。これからよろしく~」
「うん!それにしても弘太郎が千穂好きだなんて…意外!!!また色々気持ち教えてね♪(笑)」
「わかった!また明日な」
「バイバーイ☆」
「バイバイ」
夏休み初日から慎二と話せて…その上、また明日会う約束までしてしまって、昨日の告白がちょっとは効いたのかな!?って思うと嬉しくなる。
慎二、これからもずーっとよろしくね♪