大切なもの
次の日も次の日も、慎二と弘太郎は私が部活が終わるのを待っていてくれた。


私は正直、弘太郎と千穂の恋を応援するより、慎二と会えるの目的で(笑)いつも楽しみにしていた。


でも、弘太郎のノロケ話も楽しかったし、何より私と慎二2人で、色々アドバイスするのも楽しかった。








…そんなある日、部活から帰ってすぐに、





プルルルルル…♪


「あっ、携帯鳴ってる!」


携帯のディスプレイを見ると、



「…これこの前教えてもらった弘太郎の番号じゃん。どうしたんだろう」


ピッ



「もしもし?」


「もしもし小川?」


「そうだけど、どうしたの?今日話したばっかじゃん」


「いつも、小川には協力してもらってばっかりだから…お礼の電話」


「そんなのいいのにっっ!!!それは、2人が成功したら私と慎二に言って♪」


「わかった。ってかお前ら出来てんじゃないのか?」


「へっ!?お前らって」


「小川と慎二。出来てないん?」


…弘太郎に図星をつかれてしまった。


「…できてはないけど、私が好きだよ///何か文句ある?」


「嘘!??オレ冗談で言ったんにっっ!!!!!小川、本当で慎二のこと好きなん!??」


「あーも!!大声で言わんでよッ!」


「わかった!じゃあ、これでお互い協力できるなあ。」


「そうだねそうだねっっ////」


改めて自分が応援してる人に言われると、恥ずかしいもんだ。




「小川なんか怒ってない?」


「怒ってないっ!!」


「そうか~?まあ、オレは慎二のことよく知ってるから。」


「そっくりそのままの言葉をアンタに返すよ。今度千穂と遊ぶときにでも電話しちゃろうか?」


「ホント!?まじでいいんっっ??じゃあいつでも電話待ってるから!!!」


「あはは(笑)弘太郎うけるしっ」


「ってか、オレこうみえても、福島とは1学期、かなり話したんで」


「嘘~?そうは見えないけど(笑)弘太郎かなり奥手じゃない!?」


「だって初恋ですから」


「嘘~~~!???初恋が中1なんてピュアすぎるやろっ!!」


「小川がませ過ぎてるだけなんやねん?」


「そんなことないそんなことない!!!まあいいや!弘太郎の恋は責任を持って私と慎二が応援しますっ♪」


「もしかして小川、お前慎二と一緒やけん、こんなにもオレのこと協力してくれるん?」


「あははっ…まあそれもあるかな!!でも、心友の恋はやっぱり成功してほしいわけっっ!!」


「小川と福島、仲いいもんなあ~。羨ましいな」


「そんなこと言ったら、私も慎二と弘太郎の仲は羨ましいなあ~って思ってるし!!!」


「そっか~。なんか俺らって似てるよな。」


「でも私は毎日好きな人と話してるもん♪」


「どうせオレは会っても話してもないやつですよ…」


「ごめんごめん!!!傷ついたなら謝る(笑)」


「いや大丈夫!んじゃあ明日からもよろしくな!!」


「わかった☆んじゃあ、また明日ね!!!」


「バイバイ」


「バイバーイっ」


ピッ




「ふぅ~~。でも私と慎二が毎日会えるのも弘太郎のおかげだし…感謝しなきゃね♪」




そう呟いたらまた電話が。



プルルルル…♪



「今度は誰~?あっっ!!!」
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