大切なもの
京介の隣に座った人の名前は、谷口康平(たにぐちこうへい)。



私はコイツとだけは一緒のクラスになりたくなかった。


理由は、小学6年生の時に私が告白して、


それまで結構仲の良い雰囲気の友達だったのに、お互い意識しちゃって一気に気まずくなっちゃって


それから1度も話してなかった人だったから……




私は康平のことを自然に忘れられてたから、このまま中学で違うクラスになって、もう関わりたくなかったのに、


よりによって同じクラス。すごく偶然。



(多分康平も気まずいと思ってるだろうなあ~…よし決めた、6分の1の確率で同じクラスになったからには気まずいままじゃ駄目だ!近々ちゃんと話しかけて関係修復しよう!)


そう決心した私。












…そのようなことを考えてたらいつの間にか4組全員揃ってて、入学式のため体育館に誘導される。




私はずっと京介と話っぱなしだった。


思ったより会話が弾んで、とても楽しかった。














…その後入学式が終わって、また教室に戻っても、空気はシーンとしていた。



(なにこのクラス…誰か面白い男子しゃべってよ!!!全然つまんないし…)


私はずっとそう思っていた。





(これから先もこんな空気だったら、私、本当登校拒否なりそう…)
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