大切なもの
「なんこれ~♪ゆき本当うけるんやけどお!!!!」
そう、それは500円のバランスボールだった。
「…バランスボールでそんなはしゃぐとかどんだけなんっっ!!!千穂っ!!!」
「だって面白いやン♪」
「もうバカやねん!?」
「あ~、千穂にバカっちゆったあー!神様からバチ当たるよ!!」
「期末私より100点近く悪かったくせに~♪」
そういう言い争いをしていると、
プルルルルル…♪
「ゆきー携帯鳴りよんよー。はいっ」
「あ、ありがと…あっっっ!!!!」
ピッ
「もしもし!?」
そう、電話の番号は弘太郎だった。
「もしもし小川?」
「なんで電話出なかったん!?」
「ごめん。ちょっと慎二とサッカーしよって…」
「えー!??慎二??慎二とおるん??」
「うん。おるよ」
「こっちも千穂いるんだ♪」
「嘘!?本当!???」
「ねえ、ゆき、だぁれ~?」
バランスボールに乗って、暇そうにしている千穂がきいてくる。
「弘太郎だよ!」
「うそ~?弘太郎なん??なんでゆきに電話?」
「ちょっと慎二関係でお世話になってて♪」
ちょっと嘘だけどね(笑)
「小川~?小川!」
今度は電話元から声が聞こえる。
「はいはい?弘太郎どした?」
「ちょっと慎二に代わるわ」
えっ…
ええっっ!!!!!!!!?????
慎二と初電話だっっ!!!!!!!!