大切なもの


「じゃあ、一緒に慎二の家に行こう!!!そして渡そう!ゆきちゃん慎二の家知ってるよね?」






ええ!!!!


か、楓ちゃん今から慎二の家ですか…?



ち、ちょっと待って心の準備が…。


「やっぱ、ゆきちゃんここは無理矢理にでもあげるところって!家に行こうっ!家、どこかなあ?」


「そ、そんな楓ちゃんいいってば…!」


「よくない。私がよくないの。家、わかるよね?」


「え、えっと確か前いっちゃん達と遊んだ時、いっちゃんの家の近くだって言ってた…」


「山崎さん家の近くだね!そんなに遠くないじゃん。行こうっ!」


そう言い、楓ちゃんが自分の家とは逆方向に歩き始める。


「楓ちゃん!待って!」


私はその後を小走りで追いかけた。










楓ちゃん。


本当にいつもありがとう。


このとき楓ちゃんが意地でも慎二の家に連れて行ってくれなかったら


私はこんなに幸せな気持ちになることはなかったよ…
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