大切なもの
「ちょ、ゆきちゃん、慎二だよ!!!」
「…!?ええええ!!」
そう言うと、慎二はチャリを止め、こっちに向かってきた。
「あ、小川と南やん!何でここにおるんっ?」
「お~慎二、私服初めてみた!」
「南も学校以外で会うのは初めてやな!んで、どしたん?」
「ゆきちゃん?」
「あ、慎二。なんで昨日も今日もサッカー部休みだったの?」
「おー、昨日は試合で他中に行ってて、今日は本当に休みだった。今から弘太郎ん家行くとこだったんだよ」
「そ、そうなんだっ!」
「なんだかんだいって、小川、祭り以来じゃね?お前も県の大会前で部活忙しくて会えなかったしなあ。結果、どうだった?」
「金賞♪九州大会出場決定だよ!」
「お~すごいやん!じゃあこれからも頑張ってなあ!」
いつものような何気ない会話が、とても愛おしく感じてしまって。
やば、今、すごくキーホルダー渡したい。
「あ、あの慎二!」
「どした?小川。」
「こ、これね、県予選の帰りに街で見つけたの!何か慎二らしいなあって思って思わず買っちゃった…。もしよかったらかばんにでもつけてっ」
そう、自分の中で一番最高の笑顔で言った。
「サンキュー!あ、なんかシンプルで好きかな」
あ、あげれた…!
そ、そしてもらってくれた…!
やばい…すごく嬉しい…!!
「あ、んじゃあうちらは帰りま~す!ゆきちゃん、帰ろう?」
「う、うん///」
「お、おう!小川も南も気をつけてなあ」
「はーい、ばいばい!」
そう言い、慎二はくるっと後ろ向きになり、チャリを漕いで行った。
「ゆ、ゆきちゃんよかったよ~!!!!」
「かかか、楓ちゃん…渡せたあ!!!!」
「すごかったよお!」
「嬉しいっ///楓ちゃん、本当にありがとう!」
「ううん!ゆきちゃんに喜んでもらえてこっちも嬉しい!あとは明日つけてきてもらえるかどうかだね…」
「う、うんあとはそれだけ…」
何回も言うけど、楓ちゃんには本当助けてもらってます☆笑
このあと、いろいろ話を聞いてもらいながら帰りました。