大切なもの


「ちょ、ゆきちゃん、慎二だよ!!!」



「…!?ええええ!!」



そう言うと、慎二はチャリを止め、こっちに向かってきた。


「あ、小川と南やん!何でここにおるんっ?」


「お~慎二、私服初めてみた!」


「南も学校以外で会うのは初めてやな!んで、どしたん?」


「ゆきちゃん?」


「あ、慎二。なんで昨日も今日もサッカー部休みだったの?」


「おー、昨日は試合で他中に行ってて、今日は本当に休みだった。今から弘太郎ん家行くとこだったんだよ」


「そ、そうなんだっ!」


「なんだかんだいって、小川、祭り以来じゃね?お前も県の大会前で部活忙しくて会えなかったしなあ。結果、どうだった?」


「金賞♪九州大会出場決定だよ!」


「お~すごいやん!じゃあこれからも頑張ってなあ!」




いつものような何気ない会話が、とても愛おしく感じてしまって。



やば、今、すごくキーホルダー渡したい。





「あ、あの慎二!」


「どした?小川。」


「こ、これね、県予選の帰りに街で見つけたの!何か慎二らしいなあって思って思わず買っちゃった…。もしよかったらかばんにでもつけてっ」


そう、自分の中で一番最高の笑顔で言った。









「サンキュー!あ、なんかシンプルで好きかな」



あ、あげれた…!


そ、そしてもらってくれた…!



やばい…すごく嬉しい…!!




「あ、んじゃあうちらは帰りま~す!ゆきちゃん、帰ろう?」


「う、うん///」


「お、おう!小川も南も気をつけてなあ」


「はーい、ばいばい!」



そう言い、慎二はくるっと後ろ向きになり、チャリを漕いで行った。














「ゆ、ゆきちゃんよかったよ~!!!!」


「かかか、楓ちゃん…渡せたあ!!!!」



「すごかったよお!」



「嬉しいっ///楓ちゃん、本当にありがとう!」



「ううん!ゆきちゃんに喜んでもらえてこっちも嬉しい!あとは明日つけてきてもらえるかどうかだね…」


「う、うんあとはそれだけ…」




何回も言うけど、楓ちゃんには本当助けてもらってます☆笑



このあと、いろいろ話を聞いてもらいながら帰りました。
< 65 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop