大切なもの
「お、じゃあ席着こうぜ!」


「うん!!」



そういい席に着いたら朝のHRが始まる。



…その瞬間浮かれているあたしに、担任の口から思わぬ言葉が発せられる。



「みなさんお久しぶりです。二学期も頑張っていきましょう。大きな事故はなかったみたいで安心です。
えっと、今日は始業式とLHR2時間ということで、LHRのそのうち1時間は二学期から新たな気持ちで頑張ろうということで席替えをしたいと思います~」













えっ。なんと言いましたか担任…!!!



みんなも嬉しいのか悲しいのか、奇声が発せられる。



その中でも一番うるさかったのはぱっと見時坂であった。



「うぉっっしゃあああああ!!!いえーーーーい!!!でもまた一番後ろ希望ーーー!!!!」



時坂は今も一番後ろだから、席替えがちょっと嫌そうだが、でもあの奇声はとてもうれしそうだ。




…ってそれどこじゃなくて。いや。本当。



大好きな慎二と席が離れる危機。



「席替えって言われたら、今自分がいい席でも絶対“よっしゃー”とか言ってしまうよな♪」


「俺は一番前から解放だーーーーー!!!」


慎二と京介がそのように話していたが、若干放心状態になっているあたし。




(こ、これは神頼みでまた慎二の隣にしてくださいと思い願い呪い続けるしか方法は…な、ない!!!!!)



二学期そうそうあたしの心はいろいろな意味で鎮まる事がなかった。
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