大切なもの



…そう言った声の出所は時坂だった。




「…とと!時坂お前かっ!!!!」



「いつも言ってる気がするけど何だよオレじゃ悪いかよ」





慎二と隣になれなかったイライラな想いを時坂にぶつけてしまう。





「悪い悪いめっちゃくっちゃ悪い!!!お前みたいなうるさいやつが隣なら授業集中できんしお前みたいなやつは絶対遠くから見ているだけのほうがいいし絶対お前が隣ならうるさいうるさいうっざい!!!」



「ハア…お前何興奮してんだよ。オレは一番後ろから一番前になったから、気落ちしてしまってお前と言い合う元気すらねえ」



「いや、本当時坂がよかったら誰か目が悪い人と変わってもらったら?」


「それはこっちのセリフ」



「いややっぱ本当うざい!!!!!」



とそこで担任が



「いろいろ言っている小川さんのほうがうるさいですよ~」




アハハハ!!!!怒られてやんの!と周りの主に男子が一斉に笑う。



…その中にはもちろん時坂の笑い声も。



「ギャハハハ!やっぱお前うるさいって!」


「時坂黙れ!さっき言い返す気力もないとか言ってたくせに何笑ってんのよ!!!」

「はい、小川さん時坂君黙ってね~」



今度は、時坂以外の周りの男子が笑う。




私は


「…席替え初っ端から先生にも怒られたしさいっあく」


と言うと、




「オレの今回の席替えでの目標お前と喧嘩しないにしよ」




「…!!!1番前だから勉強に集中するとかにしなさいよ!!!!」




「ま~何だかんだ楽しくやっていくつもりでいるよ?」


「んなっ!!!」




やば、時坂から何言われても今嬉しくなくてイライラするだけ。





あたしの隣は慎二以外あり得ない!!!




最初の席が隣だったのも運命なのに!!!!
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