大切なもの
その日の時間割は1日中、学級活動や集会ばかりの日程だった。




(集まりの移動とかばかりで面倒くさいな…まあ…入学式の次の日だし当たり前か…)


そう思って過ごした1、2時間目。








…私はふとあることに気付いた。


(あれ…??私、近くの席じゃ京介としか話してないし!


隣の席、男の子、だよね?どんな人なんだろう…?顔ちゃんと見てないなあ)








これが慎二との運命の出会い…とか言ったら恥ずかしいけど、慎二との出会い。





自分より背がはるかに小さくて


肌がとても黒くて


いつもちょこちょこ動き回っている人。


地毛であろう茶色のちょっと長い髪がキレイ…



名前は…机の上のネームプレートを見たら「高木慎二(たかぎしんじ)」と書いてある。


みんなからは「しんじ」と呼ばれて親しまれてるみたい。




(あっ…こんな人だったんだ…なんか可愛い感じの男の子だなあ。)



それは私が思った、慎二の第一印象。
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